まこと)” の例文
新字:
彼は生命いのちの新たなるころまことの力すぐれたれば、そのすべての良き傾向かたむきは、げにめざましきあかしとなるをえたりしものを 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
國許くにもとにござります、はなしにつきまして、それ饒舌しやべりますのに、まことにこまりますことには、事柄ことがらつゞきなかに、うたひとつござります。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
請取すべしと申渡されければ七右衞門久七の兩人は始めて其譯をさとまことに有難き仕合せなりと涙を流して喜びけり猶又大岡殿七右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
原因おこりの罪はとかぞふれば流石に天道是れ無差別とは言ひがたけれど、口に正義の髭つき立派なる方樣のうちに、恐ろしやまことの罪はありける物を
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そして、それをまたまことおもはう。でも誓言せいごんなどなされると(かへって)心元こゝろもとない、戀人こひゞと誓言せいごんやぶるのはヂョーヴじんたゞわらうておましなさるといふゆゑ。
まことは今宵吾一人の少女を艱苦の中より救はんとするなり。さはれ开は吾が仇なる心にあらず。
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
かれここに神産巣日御祖みおやの命に白し上げしかば、「こはまことに我が子なり。子の中に、我が手俣たなまたよりきし子なり。かれいまし葦原色許男あしはらしこをの命と兄弟はらからとなりて、その國作り堅めよ」
彼が病院の死亡室に轉ツてゐる施療患者の屍體のあか、または其の他のけがれを奇麗に洗ひ、または拭取ツて、これを解剖臺に載せるまでの始末方と來たら、まことに好く整ツたものだ
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
番付ばんづけには流石さすがにわがまこと苗字めうじをしるさんことの恥かしくて、假にチエンチイと名告なのりたり。
まことにそれこそ生みのくるしみであつた。
はからずも貴方あなたの御助けに預かりし事まことに有難く存じ奉つる此御恩このごおん生々しやう/″\世々せゝ忘却ばうきやく仕まつらず候と夫婦諸共もろともに涙を流して申しけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まことにかゝる都——これが名について神々の間にかのごとき爭ひありき、また凡ての知識の光この處よりきらめきいづ——の君ならば 九七—九九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
武者むしやぶりいて、これをなじるに、つま綾羅りようらにだもへざるさまして、ちつともらずとふ。またまことらざるがごとくなりけり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロミオ そりゃまことか?……おのれ、うらめしい運星うんせいめら!……おれ宿やどってゐような。ふでかみとをれて、そして驛馬はやうまをもやとうてくれ。今宵こよひのうちに出發たうわ。
その書には、唯だ左の數句あるのみなりき。曰く、我は汝と賭してちたり、されどまことに贏ちしは我に非ざりきと。憐むべし、ポツジヨが意中の人は即亦我意中の人なりしなり。
さへぎりそれでは御存ごぞんじのきならん父御てゝごさまとあにとのなかにおはな成立なりたつておまへさまさへ御承知ごしようちならば明日あすにも眞實しんじつ姉樣あねさまいやか/\おいやならばおいやでよしと薄氣味うすきみわろきやさしげのこゑうそまことあまりといへばあまりのこと
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
押開おしひらき御免なされと此家の亭主あるじ長兵衞は入來いりきたり只今彼方かなたにて御樣子を伺ひまこと御志操おこゝろざしを感じ候なりさりながらお三人のお旅籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まことや、ひとんでけむりかべるで、……たれないとると、南向みなみむきながら、ざしもうすい。が、引越ひきこすとすればなんにはらぬ。……をりからいへさがしてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
シチーリアとアラーゴナの名譽ほまれの母なるわが美しきむすめのもとにゆき、世の風評さた違はばまことを告げよ 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
どくがまだのこってたら、それこそはかりいのちからまこといのちかへらする大妙藥だいめうやく!……まだぬくい、おまへくちびる
おん身は病に臥し給ひきとはまことか。アヌンチヤタ。病はいと重く、一とせの久しきにわたりしかど、死せしは我容色と我音聲とのみなりき。公衆は此二つの屍をあはせ藏せる我身を棄てたり。
わたしよりねがふことゝいふことばきもをはらずそれならばおはなしありおくださりますかとあやしの根問ねどひおたかさまおまへさまのおむねひとうかゞへばわけのすむことほかでもなしまことねえさまにおなりくださらぬかと決然きつぱりいはれて御串戯ごじやうだんわたしこそまこといもと思召おぼしめしてとふを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たゞわが彼をデーダロたらしめざりし故により彼を子となす者に我を燒かしめしはまことなり —一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「さあ、斷念あきらめろ、こゑてるな、ひとりやまことうでも、むしのついたはなえだだ。」
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
籠中かごのなかひとこゑふるはし、「おひとわるい、かゝ難儀なんぎきようがりてなぶりたまふは何事なにごとぞ。きみ御心おんこゝろはいかならむ、まこと心細こゝろぼそくなりさふらふ」と年效としがひもなくなみだながす、御傍おそば面々めん/\笑止せうしおも
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)