“あでやか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
艶麗47.1%
妖艶7.8%
嬋娟7.8%
端麗5.9%
美麗3.9%
嬋妍2.0%
窈窕2.0%
優婉2.0%
優雅2.0%
妖麗2.0%
婀娜2.0%
濃艶2.0%
美艶2.0%
2.0%
艶花2.0%
艷麗2.0%
鮮麗2.0%
2.0%
麗艶2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それなかには橘姫たちばなひめよりもはるかに家柄いえがらたかいおかたもあり、また縹緻きりょう自慢じまんの、それはそれは艶麗あでやか美女びじょないのではないのでした。
物を云えば云う程、眼に付いて来る若侍の妖艶あでやかさに、気味が悪るくなったていで、スタスタと自慢の健脚を運んだ。振り返りたいのを、やっと我慢しながら考えた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると嬋娟あでやか盛粧せいそうしたお延が澄ましてそこに坐っていた。津田ははっと思った。寝起ねおきの顔へ水をかけられたような夫の様子に満足したらしい彼女は微笑をらした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其の蔭に、端麗あでやかさも端麗あでやかに、神々こうごうしさも神々しい、緋のはかまの姫が、お一方ひとかた、孫一を一目見なすつて
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
苦労人くろうとが二人がかりで、妙子は品のいい処へ粋になって、またあるまじき美麗あでやかさを、飽かずながめて、小芳が幾度いくたび恍惚うっとり気抜けのするようなのを、ああ、先生に瓜二つ、御尤ごもっともな次第だけれども
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見て其嬋妍あでやかさにほく/\悦び在郷ざいがうそだちの娘なれば漸々やう/\宿場しゆくば飯盛めしもりか吉原ならば小格子こがうしわづか二十か三十の金を得るのがせきの山と陰踏かげぶみをして置たるが少しばかり手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
送りけるが彼の十兵衞の娘お富お文はそろひも揃ひし容貌きりやうにて殊に姉のお文は小町こまち西施せいしはぢらうばかりの嬋妍あでやかもの加之そのうへ田舍ゐなかそだちには似氣にげもなく絲竹いとたけの道は更なり讀書よみかきつたなからずいとやさしき性質成れば傍輩はうばい女郎もいたはりて何から何まで深切しんせつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二十歳はたちか二十一、二とも思われる、女の姿のまた窈窕あでやかさ! しなやかな首筋はすんなりと肩へ流れて、純白女神のごとき白絹の綾羅うすものを装うていた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
真白な頬に薔薇色の血を上らせて、たださえ美しいそのおもてが何という窈窕あでやかさだったでしょうか。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼を綺羅な一室にとりこにしてから滅多に訪れて来ることもなく、また広い屋敷うちなので、優婉あでやかな姿を庭先に見せることも極めて稀であった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
華やかな、﨟たる伊達模様の優雅あでやかさ、この美麗な豪奢はそてろに蕩魔さたんの試みでないかとさへ思はれた。
仙台の夏 (新字旧仮名) / 石川善助(著)
先刻さきに赤城得三が、人形室を出行いでゆきたる少時しばらく後に、不思議なることこそ起りたれ。風も無きに人形のかずき揺めき落ちて、妖麗あでやかなる顔のれ出でぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして優しくほころびた口許、婀娜あでやかというか、濃艶滴らんばかりというか! 印度を知ること何ぞ遅かりし! もう誰が何と言っても、印度は私の友達だ。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「私、奥さんはダリヤの花のように濃艶あでやかでいらっしゃいますと言って上げますの。品位がないという意味ですけれど、そんな皮肉の分る方じゃございませんわ」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
天守てんしゆ主人あるじは、御身おみ内儀ないぎ美艶あでやかいろ懸想けさうしたのぢや。もない、ごふちから掴取つかみとつて、ねやちか幽閉おしこめた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夢の世を夢よりもあでやかながめしむる黒髪を、乱るるなと畳めるびんの上には、玉虫貝たまむしかい冴々さえさえすみれに刻んで、細き金脚きんあしにはっしと打ち込んでいる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いつぞや露月とふとゆきずりに知り合った、あの鳥谷呉羽之介の、艶花あでやかにして嫋々なよなよとした立ちすがたであったのです。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
艷麗あでやか打傾うちかたむ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じっと、ともに天井を仰いだ直槙は、その丸髷まるまげの白い顔に、鮮麗あでやかな眉を、面影に見たらしい。——じっと、しばらくして、まうつむけのように俯向うつむいた。酔っている。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あわせぢやけれどの、れた上衣うわぎよりはましでござろわいの、ぬしも分つてある、あでやかな娘のぢやで、お前様にちょういわ、其主そのぬしもまたの、お前様のやうな、わか綺麗きれいな人と寝たら本望ほんもうぢやろ、はゝはゝはゝ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
極めて後悔し、そのまま首をのばして、肩にからんで顔をのぞくと、真赤まっかになり、可愛かわゆい目を細くして、およそたまらないといった様子で、麗艶あでやか微笑ほほえんで
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)