骨瓶こつがめ)” の例文
「飛んでもない、いまは落人だ。——ああ、いものがある。別嬪べっぴん従妹いとこ骨瓶こつがめです。かりに小鼓と名づけるか。この烏胴からすどうやッつけよう、不可いけないかな。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同時に、そのかたわらのもう一人、瞳を返して、三造は眉をひそめた。まさしく先刻のばばらしい。それが、黒い袖のゆき短かに、しわの想わるる手をぶらりと、首桶くびおけか、骨瓶こつがめか、風呂敷包を一包ひとつつみ提げていた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)