駄弁だべん)” の例文
途方もない駄弁だべんにふけってばかりいたので、人から真面目まじめに聞いてもらうようなことは滅多になかった。
斎場を出て、入口の休所やすみどころへかえって来ると、もう森田さん、鈴木さん、安倍さん、などが、かんかん火を起したのまわりに集って、新聞を読んだり、駄弁だべんをふるったりしていた。
葬儀記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
駄弁だべんをろうして立ちなおりながら、とっさに相手を見ますと。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
フリーデマンの仲間でさらに下らない曖昧あいまい落伍らくご者どもといっしょに、二人がいつも相並んで食卓についてるのが見られた。連中は賭博とばくをし、駄弁だべんを弄し、幾晩もぶっとおしに酒を飲んだ。
彼らは各自に自分の商品を並べたててばかりいた。最も客を多く呼んだ者は、いうまでもなく、香具師やし、哲学的駄弁だべん家、天国的な社会をにおわして一般的観念を盛んにこね回してる連中であった。