飛火とびひ)” の例文
と深川高橋までまいり、ホッと一息く間もなく、又此の火事の飛火とびひがしまして、深川一面の火となり、火の粉がばら/\落ちかゝりますから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
数棟の借家を含みたる同家は見る見る一団の大火焔に包まれると見るうちに程近き如月寺にょげつじ本堂裏手に飛火とびひし目下盛んに延焼中であるが、遠距離の事とて市中の消防は間に合わず
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
飛火とびひしたかも知れないさ。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
其の年も果て、翌延享三年二月二十九日の晩に、浅草馬道うまみちから出火いたし、吉原へ飛火とびひがしました。あるいは飛火がしたのではない、吉原からも出たのだと申します。
一日おいて又六日に出火致しましたのが神田旅籠町から佐久間町を残らず焼払い遂に浅草茅町かやちょう二丁目まで延焼し、見附を越して両国へ飛火とびひ致し、両国一面火になって、馬喰町ばくろちょうを焼き
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)