顔役かおやく)” の例文
この辺の顔役かおやく花隈はなくまくまと、生田いくたまんという親分が、この街道すじの客をあいてに、毎年の例で、野天のてんで餅つきの盆ござ興行をいたすのだ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大下組が街の顔役かおやくとか、親方とかいう一聯いちれんの徒党に対する政府の解散命令をくらってから、組の若いもんから、三下さんしたのちんぴらに至るまですべてが足を洗う様に余儀なくされた。
刺青 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
そうだとも、両方でわめき合っているいい分で知れるじゃあねえか。初めはふたりの顔役かおやくが合同でやるはなしだったのを
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花隈はなくまくまだの、生田いくたまんだのという顔役かおやくから、子分までが、その身なりから顔つきまで、人ちがいする程、真面目になって、祝詞のりとに耳をすましていたことだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)