おとがひ)” の例文
されば竹にさへづ舌切雀したきりすゞめ、月に住むうさぎ手柄てがらいづれかはなしもれざらむ、力をも入れずしておとがひのかけがねをはづさせ、高き華魁おいらんの顔をやはらぐるもこれなり。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
又は折ふし海べに下り立つて、すなどらうと思ふ時も、海松房みるぶさほどなひげの垂れたおとがひをひたと砂につけて、ある程の水を一吸ひ吸へば、たひかつを尾鰭おびれをふるうて、ざはざはと口へ流れこんだ。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)