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青砥
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あおと
ふりがな文庫
“
青砥
(
あおと
)” の例文
煙草盆を、そこへ出しておいて、下剃は、流し元で、
青砥
(
あおと
)
をすえて、ごしごしと、
剃刀
(
かみそり
)
を
磨
(
と
)
ぎはじめた。二階がやわなので、地震のように、家がうごく。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
粉をふいたような
青砥
(
あおと
)
色の地に、くすんだ
千歳茶
(
ちとせちゃ
)
の斜山形が
経
(
たて
)
つれの疵みたいに浮きあがっているの。
猪鹿蝶
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鹿礪石
(
ろくといし
)
のざらりとした
肌理
(
きめ
)
、
真礪
(
まと
)
、
青砥
(
あおと
)
のなめらかな当り、刃物と石の互いに吸いつくようなしっとりした味が、なんだかもう思いだせなくなったようで、心ぼそくってしようがなかったんだ
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
後には、提灯を手にして往来を
探
(
さが
)
すような
青砥
(
あおと
)
の子孫も
顕
(
あらわ
)
れるし、五十ばかりの女が闇から出て、石をさぐったり、土を
掴
(
つか
)
んだりして見るのも有った。さかしい慾の世ということを思わせた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
粉をふいたような
青砥
(
あおと
)
色の地に、くすんだ
千歳茶
(
ちとせちゃ
)
の斜山形が
経
(
たて
)
つれの疵みたいに浮きあがっているの。
姦(かしまし)
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
城下へはいった一角は、その翌日、藩の
湧井
(
わくい
)
半太夫と
青砥
(
あおと
)
弥助をふいに訪ねた。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やすはうねのある
鼠紺
(
ねずこん
)
のお召にぽってりとした
青砥
(
あおと
)
色の
子持
(
こもち
)
の羽織、玉木屋の桐の駒下駄をはいて
籠信玄
(
かごしんげん
)
をさげ、筑波山へ
躑躅
(
つつじ
)
でも見に行くような格好でコンパルチマンから降りてきて
ユモレスク
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もう、
青砥
(
あおと
)
弥助も、湧井半太夫も、十一人すべてが躍りあがって
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おふたり連れで……。
湧井
(
わくい
)
様、
青砥
(
あおと
)
様と仰っしゃるお方が」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
砥
漢検準1級
部首:⽯
10画
“青砥”で始まる語句
青砥藤綱
青砥屋
青砥左衛門尉藤綱
青砥伊織
青砥藤綱模稜案