雑遝ざっとう)” の例文
旧字:雜遝
翌朝深淵の家へは医者が来たり、警部や巡査が来たりして、非常に雑遝ざっとうした。夕方になって、布団をかぶせた吊台つりだいき出された。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余は家に置いてある人力車に乗って一走り走らせると、わけなく、絵画的な群集の雑遝ざっとうしている真直まっすぐな広い街路、また狭い町の只中ただなかに達することができる。
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
(闇黒。雑遝ざっとう。)
プラットフォオムはだいぶ雑遝ざっとうしていたが、純一の乗った二等室は、駅夫の世話にならずに、跡から這入って来た客さえ、坐席に困らない位であった。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
叫喚雑遝ざっとう