際涯はて)” の例文
バーリ、ガエタ及びカートナ際涯はてを占め、トロント、ヴェルデの流れて海に入る處なるアウソーニアのつのもまたしか望みき 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
大隅学士は、電子望遠鏡の前に坐りきり、刻一刻と、佐々のロケットにピントを合わせては、際涯はてしらぬ天空にとびだしてゆく友の身の上を心配しつづけた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
四邊あたりは程よく森々と繁つた黒木の際涯はてしない林續きで、其の下草には雪にひしがれたノブキやメタカラカウや、鉢植にして置いた樣な灌木がちよんぼりと配置され
黒岩山を探る (旧字旧仮名) / 沼井鉄太郎(著)
魂消たまげなさるな西洋日本で。天の際涯はてから地のドン底まで。調べ抜いたる科学者連中が。寄ってたかって研究しても。カンジンカナメの一番大切だいじな。オノレが頭蓋あたま空洞うつろの中に。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今は我が立てるところを去る幾干いくばくもあらぬ下より遙に向ふの方際涯はて知らぬあたりまで、平らかにして大江の水の如くなる白雲たなびき渡り、村もかくし川もかくし山々谿々もかくしはてゝ
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
際涯はてなきものの世にふたつ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
また或人は曰ふ、こは月の爲ならず太陽自らその光を隱せる爲なれば、地上の闇は西の際涯はてより東の際涯に及びたりと
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
本来氷も湯も隔なき水、鼠も猫も異ならぬ金なる時んば、仮相の互に亡び妄現の共に滅するをも待たずして、当体即空たうたいそくくう当事即了たうじそくりやう廓然くわくねんとして、天に際涯はて無く、峯の木枯、海の音、川遠白く山青し
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二百年餘の間、神の鳥はエウローパの際涯はて、そがさきに出でし山々に近き處にとゞまり 四—六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)