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陰間
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かげま
ふりがな文庫
“
陰間
(
かげま
)” の例文
成長した
陰間
(
かげま
)
の臼井金弥で、悪い所へ来たものである。髪が乱れ、衣裳が着崩れ、ちりをかぶっているところを見ると、まるで
永旅
(
ながたび
)
でもしたようだ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こいつも昔は道楽者で、せがれの大吉が小綺麗に生まれたのを幸いに、子どもの時から
陰間
(
かげま
)
茶屋へ売りました。
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
五人の
妓
(
おんな
)
と、
陰間
(
かげま
)
の瀬川竹之丞と、
仲居妓
(
なかいおんな
)
と、人目をそばだたせるような派手な一座に取りかこまれて
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「散々の評判ですよ。若殿だか馬鹿殿だか知らないが、ありや色氣違ひの
陰間
(
かげま
)
野郎ですね」
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金と力のないのが色男の相場、こんな
陰間
(
かげま
)
の一匹や二匹、遠慮していては
朱総
(
しゅぶさ
)
が泣かあね。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
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その女鹿坂上の、通称一本楓と言われた楓の下の
艶
(
なま
)
めいた行燈の蔭から、女装した目にとろけんばかりの色香を湛えて、しきりに呼んでいるのは、元禄の京に名高い
陰間
(
かげま
)
茶屋です。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
片一方の役者の方は、これは高が、
陰間
(
かげま
)
あがりの
女形
(
おやま
)
。なんでもありはしないさ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
陰間
(
かげま
)
茶屋をのぞいて、
袂
(
たもと
)
に
綻
(
ほころ
)
びを切らしたり、
楊弓場
(
ようきゅうば
)
の女に、からかわれたり、いい気持らしかった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最初はもとの夫の鈴川主水への面當てに、弟子分の佐野松と逢引などをして見せたことだらうが、
陰間
(
かげま
)
崩れのニヤけた佐野松が、いかにも小汚なく頼りなく見えたことだらう。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
といってりりしい男振りではなく、色なま白く眉細く、鮎のような形をしたなまめかしい眼、鼻の高いのはいうまでもなく、べにをさしたような受け口など、成長した
陰間
(
かげま
)
とでもいいたげである。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
芝居の色子や湯島、芳町の
陰間
(
かげま
)
にも、こんなすぐれた美少年は見當らないでせう。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どれどれ一見。これはヨカ
稚児
(
ちご
)
。
陰間
(
かげま
)
でござろう、それに相違ない」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『あれが、
陰間
(
かげま
)
の竹之丞か。大夫も、ちと、
憚
(
はばか
)
りが無い!』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの
陰間
(
かげま
)
野郎は、佐野松を殺したところで、仕樣がないぢやありませんか」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“陰間”の解説
陰間(かげま)とは、江戸時代に茶屋などで客を相手に男色を売った男娼の総称。特に数え13 - 14から20歳ごろの美少年による売色をこう呼んだ。陰間は男性相手が主だったが、女性も客に取ることがあった。数えで20歳ともなれば少年としては下り坂で、その後は御殿女中や後家、商家の人妻を相手にした。
(出典:Wikipedia)
陰
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“陰間”で始まる語句
陰間宿
陰間茶屋