阿爺おとつ)” の例文
お志保、確乎しつかりして居てお呉れよ、阿爺おとつさんだつても物の解らない人では無し、お前と私の心地こゝろもちが屈いたら
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「何や、阿爺おとつさん。」
それとも、また、自分の心の迷ひであらうか。といろ/\に想像して見て、しまひには恐怖おそれ疑心うたがひとで夢中になつて、『阿爺おとつさん、阿爺さん。』と自分の方から目的あてどもなく呼び返した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼奴あいつうちの遠い親類に当るものとかが、貴方の阿爺おとつさんと昔御懇意であつたとか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)