関節かんせつ)” の例文
そこで、小さな手を、ガンのつばさの下につっこんで、つばさのほねにさわってみました。すると、骨はおれてはいませんが、関節かんせつがはずれています。
薬すら美味うまかった。しかし舌に苦味甘味を知り出すと、肉体の苦痛も同時におぼえて来た。とりわけ左の足の関節かんせつが甚だきつい。熱をもって来たものと見えた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聖者は、不可解なことばでもって、ロザレの遺骸いがいに向って呪文じゅもんを唱えはじめた。呪文の意味はわからないが、治明博士は、自分の身体の関節かんせつが、ふしぎにもぎしぎしときしむのに気がついた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しばらくやっているうちに関節かんせつが伸びて、いくらか調子がでてきた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すてんと、勢いよくまたたおれた。こんどは起てなかった。左の脚の関節かんせつあたりから出血している。引っくりかえされた亀のような形をして、官兵衛はまだく片脚と両手の槍を振りまわしていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)