関係かかわり)” の例文
旧字:關係
だが、その子鉄とお銀様と何の関係かかわりがある、物好きにも程のあったものだと、お角さんの余憤が止まらないのも無理はありません。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今ちょっと二階で騒ぎが持ち上がるかもしれねえ、お前たちに関係かかわりのあることじゃあねえから、があがあ音を上げて騒ぐんじゃあねえぞ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
葉之助の意志に関係かかわりなく自ずとグルグル廻り出した事で、頭上にかざした妖婆の手が左へ左へと廻るに反し、右へ右へ右へと廻る。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
帰国の船中蘭貢ラングーンで投身したと云われる威人ウェルシュの建築技師が、この不思議な事件にも何か関係かかわりを持っているのではないのだろうか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
よし恋の場合に男はたまたま命掛であるとしても、産という命掛の事件には男は何の関係かかわりもなく、また何の役にも立ちません。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「八兄哥、大層大きな口をきくが、こいつは又次郎の知ったこっちゃないよ。又次郎は二度もお政を助けただけだ、お政殺しに関係かかわりがあるものか」
「銭形の親分、——二三日前妙な泥棒が入って、煙草入を置いて行きましたが、それとこれは関係かかわりはないでしょうか」
銭形平次捕物控:050 碁敵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
夫婦の情愛というものが水の上の油のように別になって「人」のする百般の事柄と何の関係かかわりもないと考えていられるのはあまり浅浅あさあさしくはありますまいか。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
しかし弦四郎にはそんなことは、どうであろうと関係かかわりはなかった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
浮世とは関係かかわりのない地下の娑婆しゃばであった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「有難う、三輪の、八の野郎が何か夢でも見たんだろう。又次郎にも手落はあるが、下手人じゃない。山口屋などは最初から何の関係かかわりもなかったのさ」
「一切過ぎ去ったことではないか。どうあろうと関係かかわりはない」
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「私達には関係かかわりはないよ。……襖をあけて覗いてごらんよ」
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お染には関係かかわりはないでしょう」
関係かかわりがないというように翼を揮ってけてもいた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「直接この身に関係かかわりある不義よ」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)