鎧下着よろいしたぎ)” の例文
将門は、ごく、ごく、とのどを伸ばして飲みくだした。ほっと太息をつく。そして、そのしずくや顔じゅうの汗を、鎧下着よろいしたぎの袖で横にこすった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かわ草摺くさずり、旗差物はたさしものまく裁縫さいほう鎧下着よろいしたぎ、あるいはこまかいつづれにしき、そのほか武人ぶじん衣裳いしょうにつく物や、陣具じんぐるいをつくるものばかりがみ、そして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
官兵衛は黄の鎧下着よろいしたぎに、の花おどしの具足を着、白地銀襴ぎんらんの陣羽織をつけて、輿のうえにあぐらを組んでいた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まず一浴してその後のことといたそう。あの大雨に、鎧下着よろいしたぎまで濡れひたったせいか、湯が恋しさよ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つづれたりといえ、まだこの鎧下着よろいしたぎあかじみたままで引廻されたほうがよろしゅうござる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一は長旅の雨露に汚れぬいた鎧下着よろいしたぎやら肌着をかえたいことだった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)