鍋鶴なべづる)” の例文
桃園の茶亭ちゃていで、手枕のまま酔いつぶれていた。春の真昼である。鍋鶴なべづるやら水禽みずどりやら近くの泉で啼いている。霏々ひひとして花が飛ぶ。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
髪もたもと鍋鶴なべづる
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
二羽の鍋鶴なべづるが、水のほとりで、汚れた翼をひろげていた。青銅からかねの大きな燈籠とうろうやら、おおきな伊豆石やらが、泉水をかこんでいる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついでに、その泥鰌を、お池の鍋鶴なべづるへやってくれんか。われわれは、日暮れ前に、すっかりお台所の物をまとめて、船へ積まねばならんし、たすきがけで、この恰好かっこうじゃ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)