トップ
>
鋼色
>
はがねいろ
ふりがな文庫
“
鋼色
(
はがねいろ
)” の例文
夏六月の下旬、陽はすでに落ちて、広い道場の(みがきこんだ)床板が、武者窓から斜めにさしこんで来る残照をうつして冷たく
鋼色
(
はがねいろ
)
に光っている。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
岩むらの
羊歯
(
しだ
)
、
鴉
(
からす
)
の声、それから冷たい
鋼色
(
はがねいろ
)
の空、——彼の眼に入る限りの風物は、
悉
(
ことごと
)
く荒涼それ自身であつた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
むしろ種族と典型との等しさ——あの晴れやかな
鋼色
(
はがねいろ
)
の眼、
明色
(
ブロンド
)
の髪を持つ種類としての等しさによるのだった。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
昼間じゅうつよい日光に乾かされている
鋼色
(
はがねいろ
)
の樹の葉のかおりがとけあって、落葉ですべりかけたり
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今にも頭を包みそうに近く
逼
(
せま
)
ってる
鋼色
(
はがねいろ
)
の沈黙した大空が、際限もない羽をたれたように、同じ暗色の海原に続く所から波がわいて、
闇
(
やみ
)
の中をのたうちまろびながら、見渡す限りわめき騒いでいる。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
彼は並外れて美しい、姿の好い児で、肩が広く腰が細く、陰のない鋭く物を見る
鋼色
(
はがねいろ
)
の眼を持っている。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
鋼
常用漢字
小6
部首:⾦
16画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“鋼”で始まる語句
鋼
鋼鉄
鋼線
鋼鐵
鋼条
鋼板
鋼鉄色
鋼鉄製
鋼青
鋼叉