釣綸つりいと)” の例文
晃平は、前の川へ釣綸つりいとを垂れて、岩魚いわな一尾を得た。これをぼつぼつ切にして、と一緒に、味噌汁にして、朝飯を済す。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そこで其処そこ釣綸つりいとを垂れ難い地ではあるが、魚は立廻ることの多い自然に岡釣おかづりの好適地である。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と男はぼやきながら何気なくその釣綸つりいとを引張り寄せると、ちらと釣竿の端が見え出した。
で、川のケイズ釣は川の深い処で釣る場合は手釣てづりを引いたもので、竿などを振廻ふりまわして使わずとも済むような訳でした。長い釣綸つりいと篗輪わっかから出して、そうして二本指であたりを考えて釣る。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)