酒神バッカス)” の例文
とりわけスヴィドリガイロフ氏が、むかし軍隊にいたころのくせで酒神バッカスの魔法にかかっている折などは、わけても辛かったと申します。
呵々大笑するふとった酒神バッカス、習慣的に一刻も早く給料袋をからにしなければ安心出来ない船員たちのむれ!
主人はそれを語るのに使徒のような情熱をもってした。店の施設にもできるだけ応用した。酒神バッカスの祭の夕。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
或いはアダジオを何かの仕方によって最後の楽章で反覆して、そこに声楽が順次挿入せられる。アダジオの詩句はギリシャ神話、旧約聖書中の雅歌。急調アレグロの中で酒神バッカスの祝祭。
昔は葡萄蔓ぶどうづるの冠をかぶり太陽の光を浴び、神々しい半身裸体のうちに大理石で造られたような乳房を示していた酒神バッカス祭も、今日では北部の湿ったぼろの下に形がくずれてきて
酒神バッカスを失つた軍人はみぢめさ」
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
醸す酒神バッカスだ。精神の神々しい酔い心地を人々に与える者はこの俺だ。