酒気さけけ)” の例文
旧字:酒氣
「はあ、」と言って、梅次は、団扇うちわを下に、胸をすっと手をいた。が、黒繻子くろじゅす引掛ひっかけ結びの帯のさがりをななめすべる、指の白さも、団扇の色の水浅葱みずあさぎも、酒気さけけの無い、寂しい茶の間に涼し過ぎた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは私たちのように、酒気さけけがあったのでは決してない。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)