酒桶さかおけ)” の例文
こいつは毎日、酒桶さかおけになって、揚子江の船着ふなつきという船着きを売り歩いておりますから、およそ船頭仲間のことなら何でも耳にしておりますでな
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河には山からいかだが流れて来た。何処どこかの酒庫さかぐらからは酒桶さかおけの輪を叩く音が聞えていた。その日婦人はまた旅へ出ていった。
赤い着物 (新字新仮名) / 横光利一(著)
白龍は、舟夫かこの手をかりて、二酒桶さかおけをおろしていた。そして女のすべても連れて行って、砂丘のほとりに休んでいる将士に酒をすすめ廻った。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)