郷人きょうじん)” の例文
わたくしはむなしくかえって、先ず郷人きょうじん宮崎幸麿みやさきさきまろさんを介して、東京とうけいの墓の事にくわしい武田信賢たけだしんけんさんに問うてもらったが、武田さんは知らなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
(この息子が、偉大になってくれればいいのだ。武蔵以上の人間になり、俺を見返して、郷人きょうじんに誇ってくれたら、婆は、おれの首を討った以上、本望と思うだろう)
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
福岡日日新聞の主筆猪股為治いのまたためじ君は予が親戚しんせき郷人きょうじんである。予が九州に来てから、主筆はわざわざ我旅寓わがりょぐうわれたので、予は共に世事を談じ、また間〻まま文学の事に及んだこともあった。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)