邪氣あどけ)” の例文
新字:邪気
『え……。』と少し曖昧に濁して、『私疲れちやつたわ。』と邪氣あどけなく言ひ乍ら、袴も脱がずに坐る。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
外出先から歸つて來た親を出迎へる邪氣あどけない子供のやうに千登世は幾らか嬌垂あまえながら圭一郎の手を引つ張るやうにして、そして二人は電車通りから程遠くない隱れの二階に歸つた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
此書これ有名いうめいなレウィス、キァロルとひとふでつた『アリス、アドヴェンチュアス、イン、ワンダーランド』をやくしたものです。邪氣あどけなき一少女せうぢよ夢物語ゆめものがたり滑稽こつけいうちおのづか教訓けうくんあり。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
雨さへ降らなければ、毎日、毎日、丁々たる伐木の音と邪氣あどけないお雪のすずしい笑聲とが、森の中に響いた。日に二本か三本、太い老木が凄じい反響こだまを傳へて地に仆れた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)