遺骸ゐがい)” の例文
シルレルの遺骸ゐがいは彼の歿年、——千八百五年以来、ちやんとワイマアルの大公爵家の霊廟れいべうの中に収められてゐた。
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遺言は利章と小河内藏允とが聽いた。遺骸ゐがいは領國へ運んで、箱崎の松原で荼毘だびにした。此時ひつぎの先へは三十三歳になる利章が手を添へ、跡へは二十二歳になる忠之が手を添へた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「パン、ポラリス、南極探険の帰途、ヤツプ島沖にて死亡、遺骸ゐがいは水葬せらる。」
彼の遺骸ゐがいは、一個の唯物論ゆゐぶつろん者として
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)