遣物つかいもの)” の例文
そのお祝に、御教訓をかねてお遣物つかいものになさるつもり、まずまあ早くいってみりゃ、油断が起って女狂おんなぐるい、つまり悪所入あくしょばいりなどをしなさらぬようにというのじゃ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんてごまかし込み、い程に挨拶を致し、しまいには何かお遣物つかいものをしよう、何を遣ったら宜かろう、八崎はっさきから幸いい鮎が来たから贈りたいものだと云うので
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
士「あゝ、草臥くたびれたから少し腰を掛けさせてくれ…其の金襴きんらんの莨入を遣物つかいものにしたいと思うが見せろ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の方へ遣物つかいものや、何ややで沢山物も掛りました、永い間あのお刀ゆえ若旦那の御辛苦というものは一通りでは御座いませんでしたが、急に当廿日までに芝のお屋敷へ御帰参に極りました