遊廓いうくわく)” の例文
この四百圓は七ヶ月の間に七百圓にふえたこと、で、それを消すために、つひに長野縣上田市の遊廓いうくわく、M樓へ女郎として送られたこと。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
わかしうつてるだらう、川下かはしも稻荷河原いなりがはらふ、新地しんちうらる。彼處あすこに、——遊廓いうくわくをんなが、遊藝いうげいから讀書よみかきちやはななんぞの授業じゆげふける女紅場ぢよこうばふのがあるのを
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
上田の遊廓いうくわくへおきみを賣り込んだ當時の大阪屋からは、さそりのやうな小汚ない狡猾かうくわつさを感じたのであつたが、今は、生きながら人の生血を吸ひつくす毒蛇の貪慾さを感じさせられた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)