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躰臭
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たいしゅう
ふりがな文庫
“
躰臭
(
たいしゅう
)” の例文
窓も
襖
(
ふすま
)
も閉めきったままで、病人の
躰臭
(
たいしゅう
)
がこもっているため、必要以上に香を
炷
(
た
)
いているらしく、座敷いっぱいがむせるほど匂っていた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
すると、あま
酸
(
ず
)
っぱいような女の
躰臭
(
たいしゅう
)
と、
白粉
(
おしろい
)
の
匂
(
にお
)
いとが入り混った、なまあたたかい空気が彼を包み、彼は頭がくらくらするように思った。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
りつ子は牛の匂いが臭いと云った、藁のあまやかな香りよりも、そばへ来たりつ子の
躰臭
(
たいしゅう
)
のほうが、彼には強く感じられた。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
幾たびかしがみついてきたおりうの、熱いような躯のほてりや、ときとすると強く匂った
躰臭
(
たいしゅう
)
が、現実のように思いだされたのだ。安宅の
眉間
(
みけん
)
に
皺
(
しわ
)
がよった。
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
湯気に熱した若い
躰臭
(
たいしゅう
)
や、香油の匂いが、風呂舎いっぱいにこもるようで、半之助は少なからず閉口した。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
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男には男の
躰臭
(
たいしゅう
)
があり、女には女のそれがある。おれには妻のからだの匂いは、好ましく
刺戟
(
しげき
)
的であった、と銕太郎は思った。妻のからだの触感は、いまなお彼の手や肌になまなましく生きている。
薊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
躰
部首:⾝
12画
臭
常用漢字
中学
部首:⾃
9画
“躰”で始まる語句
躰
躰躯
躰力
躰質
躰当
躰温
躰格
躰裁
躰中
躰屈