蹴爪けつま)” の例文
だからさ、順境にあるものがちょっと面喰めんくらうか、迷児まごつくか、蹴爪けつまずくかすると、そらすぐ眼の球の色が変って来るんだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう少しで美禰子の手に自分の手が触れる所で、馬尻ばけつ蹴爪けつまづいた。大きなおとがする。漸くの事で戸を一枚けると、強い日がまともにし込んだ。まぼしい位である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「落ちる時に蹴爪けつまずいて生爪なまづめがした」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おい、蹴爪けつまずくと危ない」と注意した。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)