跳足ちょうそく)” の例文
目をつぶってゆく気もちで、一跳足ちょうそくに、かれの体へ貼りついた。と、弦之丞、身をひねって
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つばでもするような舌打ちして、後も見ずに、枯れ木の間を縫い去ってゆく。智深は彼の「……べっ」とつばを吐いた唇鳴くちならしが気にくわなかった。一跳足ちょうそくに追いすがって、錫杖しゃくじょうを横構えに。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
片足をかけるや否、一跳足ちょうそくに、部屋の中へおどり立ちましたが、とたんに、家のどこかへ穴でもあいたように、どっと一陣の風が吹ッこんで来たかと思うと、そこの行燈あんどんの灯が見事にさらわれました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喉のうちで、こう叫んで、万太郎は一跳足ちょうそくに、煙を払って追いました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼がふと、あらぬ方向へ一跳足ちょうそくしかけたのは、自然だった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、一跳足ちょうそくに、飛んで来ました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とばかり一跳足ちょうそく
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)