資本金もとできん)” の例文
まひて今は麹町加賀屋茂兵衞と云る者の方に掛人かゝりびとにぞなりたりける此茂兵衞と云は四郎右衞門に數年すねんつとめし者なりしが資本金もとできんを與へ暖簾のれんわけ加賀屋茂兵衞とて同六丁目にて小切類こぎれるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見聞みきゝして大いに悦びしとは雖も是までも萬事後藤の世話になりしことゆゑせめ旅籠代はたごだいだけは衣類を賣て拂はんといふに夫をもとめられ猶亦二十兩の資本金もとできんまで長兵衞に預けし後藤の深切しんせつ何と禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いやさ決して卑下致すわけに之なく實に長兵衞樣其方はとても及ばぬ事故どういつその事町人に成度なりたしと申ければ長兵衞は腑甲斐ふがひなき事に思へども夫なら先私しが申通りになされて御覽じませ夫には資本金もとできんの入ぬやうに紙屑買かみくづかひよろしからんといへいづれにもよきに頼むとの事に付終に紙屑買かみくづかひと相談を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)