豪爽ごうそう)” の例文
気持が豪爽ごうそうになつて来るとまだまだ永く生きられさうな気がし出した。むしろ、これからだといふ気さへし出した。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
豪爽ごうそう感想かんじのする夏の雨が急に滝のように落ちて来た。屋根の上にも、庭の草木の上にも烈しく降りそそいだ。すずしい雨の音を聞きながら、今昔こんせきのことを考える。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかしてかの維新先達の諸公はなにゆえにこの快活豪爽ごうそうなる東洋流の英雄をば学ばずしてかえって謹厳端正なる米国の創業者のごときものを擬したるか。これ実にやむべからざるものあればなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
本職の漁師みたいな姿になってしまって、まことにあわれなものであります。が、それはまたそれで丁度そういう調子合ちょうしあいのことの好きな磊落らいらくな人が、ボラ釣は豪爽ごうそうで好いなどと賞美する釣であります。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)