請待しょうたい)” の例文
夫婦は大層喜んだが、長野から請待しょうたいした産科のお医者が、これまで四十の初産ういざんは手掛けたことがないと云って、まゆひそめたそうである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
かくまで我らが礼を尽くし、お請待しょうたい申すを無下むげことわり、我らに背後うしろを見せるとは! 我らは決して貴殿に対し危害を加えは致さぬつもり。決して刀は抜かぬつもり。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
是非が無いから、氏郷政宗を請待しょうたいして太閤たいこうの思わくを徹することにした。氏郷は承知した。政宗も太閤内意とあり、利家の扱いとあり、理の当然で押えられているのであるからもどくことは出来ぬ。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)