いまし)” の例文
亡き父のいましめで、お露との恋は避けてはいたが、それはただ表面おもてむきだけで、彼の内心は昔と変らず彼女恋しさに充ち充ちていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれど十万の大退口おおのきぐちを、どうとるか、由来、前進はやすく、後退は難しい、と兵家もいましめている。——まちがえば、全軍殲滅せんめつの憂き目に遭う。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともかわいく思いながらいましめもした。昔は何も深く考えることができずに、あの騒ぎのあった時も恥知らずに平気で父に対していたと思い出すだけでも胸がふさがるように雲井の雁は思った。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
これが小林さんの言葉でつまり小林さんは大多忙の時間を僕のために裂いて、わざわざ僕をいましめられたのであった。
今昔茶話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、左門はいましめるように云った。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)