“言囃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いいはや55.6%
いひはや44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
チェルシーの哲人セージと人が言囃いいはやすのは御前の事かと問う。なるほど世間ではわしの事をチェルシーの哲人セージと云うようじゃ。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当時凌雲閣の近処には依然としてそういう小家こいえがなお数知れず残っていたが、震災の火に焼かれてその跡を絶つに及び、ここに玉の井の名が俄に言囃いいはやされるようになった。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
藤野さんは、豊吉に敗けたのが口惜しいと言つて泣いたと、富太郎が言囃いひはやして歩いた事を憶えてゐる。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
放逐、放逐、声は一部の教師仲間の嫉妬しつとから起つた。嗚呼、人種の偏執といふことが無いものなら、『キシネフ』で殺される猶太人ユダヤじんもなからうし、西洋で言囃いひはやす黄禍の説もなからう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)