言交いいかわ)” の例文
然るに、私は接近が出来ないで此様こんなに煩悶しているのに、隣の俗物は苦もなく日増しに女に親しむ様子で、物を言交いいかわす五分間がいつか十分二十分になる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
余りうちばかちっしておりますから、母も心配して、惣次郎が深く言交いいかわした女故間違も出来、其の女の身の上はどうかと聞くに、元武士さむらいの娘で親父おやじもろ共浪人して水街道へ来て
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところが、このお綾には既に人知れず言交いいかわした人があるのであった。それは朝日川原の夕涼に人出の多い中をお綾はただ一人で、裏口から出て、そぞろ歩きしていた時の事であった。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
言交いいかわす。)
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)