見窮みきは)” の例文
平次は其處まで見窮みきはめて、元の部屋に引返すと、鐵之助は一人の少年を背中から押しやるやうに、部屋の中へ押し込んで居りました。
歸りて之を煮んとする時、ロオザが兄なる人我等の住める草寮こやに憩ひて、我目のくべきを見窮みきはめ、我を拿破里にて往きぬ。手術は功を奏せり。
平次は死骸の横に廻つて丁寧に拜んだ上、ザツと全部の樣子を見渡し、それから恐ろしく念入りに部分々々を見窮みきはめて行くのでした。
「庇の上に足跡があるかないか、あの窓の格子が外せるかどうか、——それを見窮みきはめなきや、きめてかゝるわけに行かないよ」
お鶴がさう言ふ迄もなく、お勝手の雨戸にも敷居にも、大きな傷のあることは、その間に家中を嗅ぎ廻つてゐる、ガラツ八もよく見窮みきはめてをりました。
ベタベタ膏藥かうやくを貼つたり、ゐざり眞似まねまでして、佐原屋の樣子を見窮みきはめ、娘お筆の身を見守つて居たのです。
「ありましたよ。先づ何より氣の付いたのは、たつた四日の間に、あの女を横縱十文字に見窮みきはめて、あんなに多勢の男に騷がれるのも無理は無いと思ひましたよ」
「いや、仕掛けに變りのないことを見窮みきはめずに、東海坊は火を付けさせるものか。曲者が穴にもぐり込んだのは東海坊が壇に上つてから枯柴に火をかける迄の間だ」
そこで、せめては同じ町内に住んで、惡人の行く末を見窮みきはめ、伜が成人の上、故主に歸參のお願ひする筈で、今日まで相待つたのぢや。伜は當年七歳、あとせめて十年
稽古矢に火口と硫黄いわうをつけて飛ばし、屋根の上に射込んで、福島嘉平太をおびき出し、屋根の上の怪し火を見窮みきはめるところを生垣立と板塀越しに、槍で突き殺し、その死骸へ
眞相を見窮みきはめるためには、其處から手繰たぐつて行かなければ——と平次は考へたのです。
「無駄だらうよ、拙者でさへ見窮みきはめかねた。闇を飛んで來た矢を娘にわかる筈もない」
「下手人は何處から入つて、何處から逃げたか、それを見窮みきはめて置きたい」
幸ひ町役人達は提灯を用意したので、家の中は簡單に見窮みきはめられました。
「工夫は良いが、曲者の姿でも見窮みきはめたのか」