かたぬ)” の例文
衣服をかたぬぎながら、関羽はきずを病んでいる片臂かたひじを医師の手にまかせ、なお右手では碁盤に石を打っていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
商客うべなえば彼ら大いに火を焚きかたぬぎてめぐり坐り煙草を吸う。商客一同むちを執りてその周囲を踊り廻り、その肩と背をはげしくむちうつも彼ら平気で何処どこに風吹くかという体で喫烟し、時にしずかに談話す。
「警察焼打」といふ意外の結果をきたせしかば、市内はにわかに無警察の状態に陥り、これ見よといふ風に、態々わざわざかたぬぎて大道を濶歩するもの、自慢げに跣足すあしにて横行するもの、無提灯にて車をくものなど
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)