“行通（ゆきかよい）” の例文
行通（ゆきかよい）はしないでも、居処が分らんじゃ、近火（きんか）はどうする！　火事見舞に町内の頭（かしら）も遣らん、そんな仲よしがあるものか、薄情だよ、水臭いよ。
婦系図 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)
毎日役所の行通（ゆきかよい）には電車を利用して、賑（にぎ）やかな町を二度ずつはきっと往（い）ったり来たりする習慣になっているのではあるが、身体（からだ）と頭に楽（らく）がないので
門 (新字新仮名) ／ 夏目漱石(著)
「しかし一体、医王というほど、此処（ここ）で薬草が採れるのに、何故（なぜ）世間とは隔（へだた）って、行通（ゆきかよい）がないのだろう。」
薬草取 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)