血管けっかん)” の例文
「頭目、よく見てごらんなさい。ほんものの眼だということは、目玉をよく見れば分りますよ。瞳孔どうこうも動くし、血管けっかんも走っている」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、どうでしょう、葉っぱをのせたとたんに、はやくも血管けっかんのなかをめぐりだして、それがまっさおな顔にのぼって、ふたたび顔に赤みがさしてきたではありませんか。
ごみの不意をくったので、さすがの竹童もかわすひまなく、グワンと血管けっかんの破れるような激痛げきつうをかんじてぶッたおれたが、とっさにまくらもとへおいて寝た、般若丸はんにゃまるを抜きはらって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一とおり診察しんさつして、医者はかわいそうなジョリクールが今度もやはり肺炎はいえんにかかっていることをげた。医者はさるの手を取って、その血管けっかんに少しも苦しませずにランセット(針)をさしこんだ。
千二は、ついに悲鳴をあげた。このままこのぴりぴりが続いたら、彼の血管けっかんけてしまうだろうと思われた。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれの血管けっかんの中の血がこおっていたのである。