蜀紅しよくこう)” の例文
赤地あかぢ蜀紅しよくこうなんど錦襴きんらん直垂ひたゝれうへへ、草摺くさずりいて、さつく/\とよろふがごと繰擴くりひろがつて、ひとおもかげ立昇たちのぼる、遠近をちこち夕煙ゆふけむりは、むらさきめて裾濃すそごなびく。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
庫裡から本堂へ、窓々、入口、戸やふすままで調べた上、蜀紅しよくこうの打敷を掛けた須彌壇を最も念入りに見ましたが、叩いても撫でても、種も仕掛けもないことは申す迄もありません。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
まがひものゝ蜀紅しよくこうの錦の打敷も、古りに古りては居りますが、何んの不都合も見られません。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)