蛍狩ほたるがり)” の例文
旧字:螢狩
が、今年もおそろひの派手な縮み浴衣ゆかたを着は着ても、最早もはやそのすそから玉のやうなかかとをこぼして蛍狩ほたるがりや庭のすずみには歩かなかつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
一昨日の夜の蛍狩ほたるがりのこと、昨夜から今日の午前にかけての蒲郡がまごおりのことなど、楽しかった遊びの後味よりも、ついさっき別れて来た雪子の
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
木の形変りしやみ蛍狩ほたるがり
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
………でも蛍狩ほたるがりと云うものは、後になってからの思い出の方がなつかしいような。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
田舎は十何年前と大して変ってもいないけれども、これから蛍狩ほたるがりの季節である。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「では、蛍狩ほたるがりをなさいませんこと? お庭へ出て、———」