藤家とうけ)” の例文
おい、すけ公卿くげ奉公もよいが、りに選ってお牛場の落魄おちぶ藤家とうけなどへ、なんで、物好きに住みこんだのだ。おれの主人のやしきへ来い、うまや掃除を
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが、武家同士の興亡となり、武家政治となり、今の平家の全盛になってからは「落魄おちぶ藤家とうけ」とあざけられて、面影もない存在になってしまった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勧学院は、もともと藤家とうけの子弟のための大学だったが、武家の子でも、四位以上の家がらなら、入学はゆるされた。
れったいなあ……。くそったれめ。藤原がなんだ。藤家とうけの一族に親類があるからとて、あんなにまで、威張りちらされている父上のお気が知れぬわ……。父上の意気地なしよ。
あのおやかたは、そういっちゃ悪いが、落魄おちぶ藤家とうけの、貧乏公卿くげで、ご全盛の平家とちがい、築地ついじくずれも修築つくろえぬくらいだが、それでいて、俺たちが、お台所へ物乞いに行っても
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)