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薬缶頭
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やかんあたま
ふりがな文庫
“
薬缶頭
(
やかんあたま
)” の例文
その間に有楽座へ行ったり、落語を聞いたり、友達と話したり、往来を歩いたり、いろいろやったが、いずれも
薬缶頭
(
やかんあたま
)
を
攫
(
つか
)
むと同じ事で、世の中は少しも手に握れなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これでも昔は
内芸者
(
うちげいしゃ
)
ぐらいやったと云うを鼻に掛けて、
臆面
(
おくめん
)
もなく三味線を腰に結び付け、片肌脱ぎで大きな口を
開
(
あ
)
いて唄う其の
後
(
あと
)
から、茶碗を叩く
薬缶頭
(
やかんあたま
)
は、赤手拭の
捩
(
ねじ
)
り鉢巻、
一群
(
ひとむれ
)
大込
(
おおごみ
)
の
後
(
うしろ
)
から
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私のようにどこか突き抜けたくっても突き抜ける訳にも行かず、何か
掴
(
つか
)
みたくっても
薬缶頭
(
やかんあたま
)
を掴むようにつるつるして
焦燥
(
じ
)
れったくなったりする人が多分あるだろうと思うのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いえ別にどうもしやしませんがね。朝起きて
巻煙草
(
まきたばこ
)
をふかしながら裏の窓から見ていると、向うの
筧
(
かけひ
)
の
傍
(
そば
)
で、
薬缶頭
(
やかんあたま
)
が顔を洗っているんでさあ」「爺さんか婆さんか」と主人が聞く。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
懸物
(
かけもの
)
が見える。行灯が見える。
畳
(
たたみ
)
が見える。和尚の
薬缶頭
(
やかんあたま
)
がありありと見える。
鰐口
(
わにぐち
)
を
開
(
あ
)
いて
嘲笑
(
あざわら
)
った声まで聞える。
怪
(
け
)
しからん坊主だ。どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。悟ってやる。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
缶
常用漢字
中学
部首:⽸
6画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“薬缶”で始まる語句
薬缶
薬缶抔