蒼褪あをざ)” の例文
先刻さつきのあの爐の傍で——顫へながら、むか/\しながら、そしてすつかり蒼褪あをざめて、すさんで、雨風に叩きつけられた自分の姿を意識しながら。
女はない調子で低くかう云ふと、蒼褪あをざめた顔に、かすかな小皺をたゞよはせて冷やかに笑つた。そして「まあ御馳走の遅いこと。どうしたんだらう。」
野はいま一色ひといろに物悲しくも蒼褪あをざめし彼方かなたぞ。
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)