ポルトガル)” の例文
八、南米行 客船はリバプール港より出て、風も雨も夏の深まりを知る。フランスの海で涼気を初めて覚え、ポルトガルの首都では暑熱はなお強かった。
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ポルトガル領東アフリカの首都モザンビイクは、いま雨期のまっ盛りにある。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
寄せている。この地の草野は春のごとく青一色であり、ポルトガルの山々にはまだ秋風も起こっていないのだ。
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(遠くはるかに連なる雲ともやが客船をとじこめ、ぼんやりとしたなかに一つの峰が浮かぶ。ポルトガルの山は遠く、英国の山々も遠い、とすればここは加南利亜カナリア諸島なのである。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(山はおのずから青あおとしげり、水もまたおのずから清らかに、灯台のそびえたつところがポルトガルの首都である。星移り物かわる歳月に人々はいずくにか去り、いまや往年の航海の名声も失われてしまった。)
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)