著手ちゃくしゅ)” の例文
こう君! われわれは著手ちゃくしゅしよう。しかし彼は結局 Noノー と言った。これは洋語だからお前達には分らない。そうでなければもっと早く成功したんだぞ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「わかもと」の主人長尾欽弥きんや君がそこへ入って、製薬に著手ちゃくしゅした時には、貧乏のどん底であったが、たちまちめきめきと発展を遂げたので、狭くはあるし、寺の中にいるのもいやだから
商売の繁昌する家 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
家主いえぬし植長うえちょうがどこからか買い集めて来てくれた家具の一つの唐机とうづくえに向って、その書いて見るということに著手ちゃくしゅしようとして見たが、頭次第だと云う頭が、どうも空虚で、何を書いていか分らない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「そうして幾人は已に起き上った。君が著手ちゃくしゅしなければ、この鉄部屋の希望を壊したといわれても仕方がない」
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
この例外の第二に依って、阿Qが米搗きに著手ちゃくしゅする前に台所で煙草を吸っていたのだ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)