萱山かややま)” の例文
マスノの一声は、あとの十一人をさるのようにすばしこくさせ、萱山かややまの中へ走りこませた。がさがさと音がして萱がゆれた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
四二 六角牛ろっこうし山のふもとにオバヤ、板小屋などいうところあり。広き萱山かややまなり。村々よりりに行く。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
最初蝦夷松椴松のみどりに秀であるひは白く立枯るゝ峯を過ぎて、障るものなきあたりへ來ると、軸物の大俯瞰圖のする/\と解けて落ちる樣に、眼は今汽車の下りつゝある霜枯の萱山かややまから
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
最初蝦夷松椴松のみどりひいであるいは白く立枯たちかるゝ峰を過ぎて、障るものなきあたりへ来ると、軸物の大俯瞰図のする/\と解けて落ちる様に、眼は今汽車の下りつゝある霜枯しもがれ萱山かややまから
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)