“萱戸”の読み方と例文
読み方割合
かやと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの美しい萱戸かやとの長尾を通って、姫の井というところにかかると、そこでまた、右の武者修行が、ゾッとするものを一つ見たということであります。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
といって、女は蛇の目の傘をさすというよりはかぶって、また悠々閑々として、萱戸かやとの路を行きかかりますから、暫くはくだんの武者修行も、呆然ぼうぜんとしてその行くあとを見送っていたということです。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
悠々閑々ゆうゆうかんかんとして、六千尺の高原の萱戸かやとの中を、女が一人歩きして来るのですから、これは、山賊、猛獣、毒蛇の出現よりは、武者修行にとっては、意表外だったというのも聞えないではありません。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)