萌出もえいづ)” の例文
晴れ渡る空は日毎に青く澄む色の深さを増し、照りつゞく日の光は、咲きそろふ花の色と萌出もえいづ若草わかぐさの緑を一層あざやかに引立せる。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
同じくこの永劫えいごふの春——夜の白羊宮もこれをかすめじ——に萌出もえいづる第二のみつの組は 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
万事傷心のたねならざるはなし。その翌年よくねん草の芽再び萌出もえいづる頃なるを、われも一夜いちや大久保を去りて築地つきじ独棲どくせいしければかの矢筈草もそののちはいかがなりけん。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)