草心尼そうしんに)” の例文
母の草心尼そうしんにはとうに亡い人だったが、よく明石の家へ遊びに来ていた兼好法師がその母をも説いて、たって覚一にめあわせたひとなのである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じつは、その昨夜の儀について。……足利から草心尼そうしんにさまがお越しあって、殿のお目ざめを、さいぜんから、お待ち申しあげておりまする」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小松谷にいる草心尼そうしんになら頼って行けぬこともないと思う。覚一というお子もあるひと、きっと、この胸を聞いてはくれよう。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おお、その小右京でございまする。ならびおかの法師のおすすめやら、いまは亡き草心尼そうしんにさまの、たってのおことばで……」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「初めてお目にかかります。私は、覚一と申し、まだ修行中の琵琶の楽生がくせい、母は草心尼そうしんにといいまする。柳斎どのがお留守でも、お世話になって、かまいませぬか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草心尼そうしんにとはいわなかったか。ひとりは、かく一法師とも」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほうっ、草心尼そうしんにだの」
草心尼そうしんには、筆をおく。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)